needs 〜ing vs. needs to be p.p.

まえがき

この記事では、
「need + 動名詞 (〜ing) 」と、
「need + 受動態のTO不定詞」 の表現の違いについて
考えていきたいと思います。

なぜ能動表現なのに、「〜される必要がある」という意味になるのか、
need to be p.p. の表現と一体何が違うのかについて解説します。

今回の解釈が、全て正しい自信はありませんが、
こういう理解の仕方もあるんだ。と思って貰えれば幸いです。

能動表現 or 受動表現

まずは例文を見ていきましょう。

This car needs washing.
この車は、洗う(洗車する)必要がある。

This car needs to be washed.
この車は、洗う(洗車する)必要がある。

これらどちらが正しい表現だと思いますか?

実はどちらも正しい英語です。

前者は、"this car" が主語であるのに対して、
〜ing で能動表現になってしまっているのでは?と思いますよね。
(車自体が洗い出すような)

車は洗われる側ですから、受動態にするべきじゃないの?
って思うのが自然だと思います。

後者は、そういう考えではしっくりきますよね。
"this car" は洗われる側ですから、TO不定詞の受動態で表現する事で、
洗われる事が必要であると言っているので、理解しやすいと思います。

need + (動名詞 vs. 受動態のTO不定詞)

  • S need 〜ing
  • S need to be p.p.

Sは〜をする必要がある。

これらは、言い換え問題としても、よく出題される。
文法的にもどちらも間違ってない。

じゃあ、これって一体どっちを使ったらいいの?

その答えは、どっちでもいいようです。笑
ただ、人によっては感じ方に違いが少しあるそうです。

to be p.p. の方が好ましい

「S need 〜ing」 の方は、やはりingが使われているだけあって、
能動的に動いている表現が隠しきれない。
主語がものであるにも関わらず、なんだか擬人化したような印象があるそうです。

単語数も少なくなるので、ちょっとくだけた表現に聞こえるとのこと。

その為、「S need to be p.p.」の方が、一般的には好まれる。

書き言葉では、「S need to be p.p.」
喋り言葉では、「S need 〜ing」

という感じで使われているのかな。

あと、「S needs washing」は行為そのものを必要としているニュアンスがあり、
とにかく洗うことが必要だと言っています。

「S needs to be washed」の方は、洗われた状態を求めているので、
ちゃんとキレイな状態を求めてる感じがします。

しかし、これらは厳密に区別されているわけでもないようで。
例えば、"Your room needs cleaning" とお母さんが言った場合、
ちゃんとキレイにしろ。といっているのは明白でしょう。

能動表現なのに、なぜOKなのか

「S need to be p.p.」は、文法的に合ってることは理解できますが、
そもそも、「S need 〜ing」が、
なんで「Sは〜される必要がある」という意味になっているのか?

ここからは私の推測になりますが、
こうやって考えると、納得しやすいな。と思ったので発表します。

This car needs [someone's] washing [it].
               -----------         ----
                    |               |
               意味上の主語    意味上の目的語

こうやって[]の部分が実は省略されていると考えると、わかりやすくないですか?

動名詞の意味上の主語と、目的語が省略されていると。

この文をそのまま訳すと、
「この車は、誰かがその車を洗う事を必要としている。」
つまりは、この車は誰かに洗ってもらう事を必要としていると解釈できます。

動名詞の意味上の主語が省略されている

動名詞に意味上の主語をつける際、
動名詞の前に所有格または、目的格をつけます。

動名詞の意味上の主語

私は、あなたがギターを弾いているのが好きです。
I like your playing the guitar.
       ----
         |
    意味上の主語

これ、your がないと、ギターを引くのは自分自身になります。
なので、あなたが弾いているのが好きなのと言いたい場合は、
動名詞に所有格をつけて意味上の主語をつけるのです。

自分自身の場合は、my playing となるわけですが、
主語と一致しているので、省略されているというか、敢えて書く必要がないのです。

This car needs [someone's] washing の話に戻ると、
誰かが洗うという、「誰か」自体はどうでもいい事なので、省略されていると考えると、
「This car」は、[誰かが]洗う必要があると解釈できますよね。

動名詞の目的語が省略されている

また、この washing は他動詞の動名詞のはずですから、
本来、目的語がなくてはなりません。

他動詞は、受動態になると目的語は主語に移るので、後ろに目的語はつきません。
しかし、能動態では、本来の他動詞の目的語が側になければいけません。

そう考えると、本来目的後になる it (this car) がつくはずですよね?

これは、循環構文というものがあるようで、
目的語と主語が一致している場合、冗長になる為に本来必要な目的語が省略されます。

循環構文の例

京都には訪れる価値がある
Kyoto is worth visiting [it].
                        ----
                         |
                冗長なので省略される

visitingの目的語は、主語と一致しているので、目的語のitは書かない。

他の選択肢

この系の問題で、選択肢に出てくるものは以下の4パターンでしょう。

正誤
O This car needs washing. 動名詞
X This car needs being washed. 受動態の動名詞
X This car needs to wash. TO不定詞
O This car needs to be washed. 受動態のTO不定詞

正解は、前述したとおりですが、
間違いの文も一応考察してみましょう。

TO不定詞の場合

先程、能動の動名詞で提案したように、その解釈がOKなら、
TO不定詞でも同じようになにか省略されると考えれば成り立ちそうですよね。
ちょっとやってみましょう。

This car needs [someone] to wash [it].

TO不定詞の意味上の主語は、所有格にするような書き方はできないので、
こんな感じになるかと思います。
needs の目的語としてsomeoneが来ているという例です。

でも、これだと、「この車は、その車を洗う誰かを必要としている。」みたいな
ニュアンスになってしまいます。
人を必要としてるわけじゃないので、この場合は、やはり適切ではないでしょう。

受動態の動名詞の場合

受動態の動名詞の場合はどうでしょう。

This car needs being washed.

この車は、洗われた状態が必要だ。みたいな言い方になります。
わからなくもないです。。

しかし、needは未来志向ですから、本来はTO不定詞を使う方が自然なのでしょう。
beingとなると、洗われていた状態が必要だと、
To不定詞と比べると不自然に感じます。

一方、前述した
This car needs [someone's] washing.
の場合は、誰かが洗うという行為そのものにフォーカスしているので、
時制は関係ないのでしょう。

まとめ

need 〜ing と、 need to be p.p. はどちらも正解。
文法的にもどちらを使っても良いが、to be p.p. の方が一般的には好まれる。

少しだけニュアンスの違いはあるものの、厳密に使い分けている人は少ないようです。

される側の主語が、なぜ能動的な動名詞を使うのか。
以下のように考えると、意味上の主語と目的語は省略されていると解釈できます。

This car needs [someone's] washing [it].

今回の考察は、本当に合っているのかまでは自信ありませんが、
納得しやすくする為には、良い考え方ではないでしょうか。

実際に、私はこれでなんだか気持ち悪いモヤモヤは解消された気がします。

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